はじめに
この記事シリーズは情報セキュリティマネジメントの資格勉強で学んだことの中でも、特に気になった内容、正しく理解したい内容をブログ記事にしてアウトプットしていきます。
実際に学んだことを整理し、理解を深めるための参考にもなればと思っています。
参考書とサイト
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デジタル署名って一体何?
インターネットが普及した現代では、オンラインでの取引やコミュニケーションが日常的になっています。でも、そんなネット社会では、「本当にその人が送ったのか?」や「メッセージが途中で変わっていないか?」など、心配なことも多いですよね。
ここで登場するのが**「デジタル署名」です。デジタル署名は、あなたが送るメッセージやデータが本当にあなたから送られたものであり、途中で改ざんされていない**ことを証明するための仕組みです。
ちょっと難しそうに聞こえますが、実はデジタル署名はとてもシンプルな考え方に基づいています。
これを理解することで、ネット上でのやり取りをもっと安全にするための力を手に入れたことになりますよ!
デジタル署名の仕組み
- あなたがメッセージを作成します。たとえば、メールやデータファイルなど。
- メッセージには、あなたの秘密鍵を使って「デジタル署名」をつけます。秘密鍵は、あなたしか持っていないとても大切なものです。
- 署名をつけたメッセージを送信します。受け取った相手は、あなたの公開鍵を使ってその署名を確認します。
- 受け取ったメッセージが本当にあなたから来たものであり、途中で改ざんされていないことが確認できれば、相手は「このメッセージは信頼できる!」と認識します。
つまり、デジタル署名は、あなたが秘密鍵を使ってメッセージに「証拠」をつけ、受け取った相手があなたの公開鍵を使ってそれを確認するという、二段階のセキュリティが働いているのです。
なぜデジタル署名が重要なのか?
デジタル署名がないと、インターネットで送信したメッセージやデータが誰かに改ざんされてしまう可能性があります。たとえば、あなたが大切な契約書を送ったとき、途中で内容を変えられてしまうかもしれません。そんなとき、デジタル署名があれば、「この署名があるから、この契約書は最初に送った内容のまま」と証明できるのです。
また、デジタル署名は、メッセージを送った「本人が確かに送った」という証明にもなります。これを「認証」と言いますが、デジタル署名があれば、「誰かが偽のメッセージを送っているわけではない」と確認できるわけです。
デジタル署名に使われるアルゴリズムの例
デジタル署名を実現するために使われるアルゴリズムはいくつかあります。
ここでは、よく使われるものをいくつか紹介します。
RSA(Rivest–Shamir–Adleman)
- 概要: RSAは広く使われている公開鍵暗号方式で、特にインターネットで安全にメッセージをやり取りするために使用されます。具体的には、秘密鍵でメッセージにデジタル署名を行い、公開鍵でその署名を検証します。
- 使い方: メッセージを署名する際、秘密鍵でメッセージを「暗号化」し、受け取った相手は公開鍵でその暗号を「復号」して、メッセージが改ざんされていないことを確認します。
- 例: 電子メールやオンライン取引で使われることが多い。
DSA(Digital Signature Algorithm)
- 概要: DSAは、署名生成が効率的なアルゴリズムで、特に政府機関や企業の認証システムで利用されます。公開鍵と秘密鍵を使って、メッセージの改ざんを防ぎます。
- 使い方: DSAは、署名生成と検証の速度が速いとされ、特に署名検証の際に効率的です。
- 例: 主に政府機関や企業の認証システムで使われることが多いです。
ECDSA(Elliptic Curve Digital Signature Algorithm)
- 概要: ECDSAは、RSAよりも短い鍵で同じレベルのセキュリティを提供でき、特にモバイル機器やIoTデバイスなどで利用されます。
- 使い方: ECDSAは、特にモバイルデバイスやIoTデバイスなど、計算リソースが限られた環境で使用されることが多いです。
- 例: ビットコインなどの暗号通貨の取引においても使用されています。
XML署名
- 概要: XML署名は、W3C(World Wide Web Consortium)が規定した、XML文書に対するデジタル署名の標準です。XML文書の一部または全体に署名を行うことができます。
- 使い方: XML署名は、XMLデータをやり取りする際に、データが改ざんされていないことを確認するために使用されます。複数のXML文書への署名や、文書への複数人の署名にも対応しています。
- 例: WebサービスやAPIでのデータ通信で、署名を使ってデータの整合性を保証するために用いられます。
実際にデジタル署名を使った証明書の事例
デジタル署名の実際の事例を挙げてみましょう。例えば、ウェブサイトでSSL/TLS証明書を使って通信を保護する場面です。
- SSL/TLS証明書: ウェブサイトが安全な通信を行うために使う証明書には、デジタル署名が使われています。ウェブサイトの証明書は、信頼できる認証局(CA)によって署名されており、この証明書を使って、訪問者のブラウザがそのウェブサイトと安全に通信できることを確認します。
- 例: https://www.example.com のように、URLの前に「https://」と表示されると、そのウェブサイトがSSL証明書を使って通信が暗号化されていることを示します。証明書の署名により、そのウェブサイトが本物であることが証明されます。
まとめ
- デジタル署名は、インターネットでのやり取りを安全にするための大事なツールです。
- あなたが秘密鍵で署名し、受け取った相手が公開鍵でその署名を確認する。
- 改ざんされていないことと、送信者の本人確認を証明するために使われます。
このデジタル署名の仕組みを理解することが、セキュリティを守る第一歩です!情報セキュリティマネジメントを学ぶあなたも、これをマスターすれば、ネット社会でのセキュリティに対する自信がグンと高まりますよ!
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